カスミる

有村架純になるべく頑張る日々の記録

恋は有能な35歳を無能にするが幸せにもする

会社の先輩(35歳男性)がキャバ嬢に本気の恋をしている。

 

数ヶ月会っていなかった先輩からの突然のランチのお誘い。

会社の人がいないところでと言うので、てっきり転職の報告だと思っていた。

最近は売り手市場で転職も比較的容易だと聞く。

こんなハードワークな会社、ずっと勤めていられないよね。うんうん。

そんな気持ちで喫茶店に入る。

先輩はヘビースモーカーのギャンブラー。

煙たくて薄暗い場所が彼にはよく馴染む。

 

静かな喫茶店で切り出されたのは、いい年したおっさんの片想いの相談だった。

相手は朝キャバで働くシングルマザー。

片想いは約5年ぶりらしい。

 

彼女と知り合ったのはパチンコ屋。

フロアスタッフの彼女に一目惚れして人生初のナンパをしたらしい。

連絡先は交換したものの、そこから関係性に変わりはなく。

その後彼女はパチンコ屋を辞めて朝キャバに転職。

最初にお店に行ったのは好奇心。

友達だからサービスすると誘われて、キャバ嬢として働いているところを見てみたくて、つい。

二度目以降は、仕事時間以外は子供がいるから会えない、お店来てくれたら会えるよ、と言われて、つい。

はじめは1セットのつもりだったが、延長をねだられたら、つい。

LINEの返事はそっけない。既読スルーも当たり前。

デートに誘って答えてくれたのは2回。子供がいるから門限は昼の3時まで。次の誘いもはぐらかされる。

 

話を聞けば聞くほど、ただの客としてうまく扱われている。

いや、ただの、ではなく、営業をかけなくても通ってくれる都合のいい客の間違いか。

 

しかも先輩、昨日の夜にシンママキャバ嬢のツイッターアカウントを偶然発見してしまったらしい。

(まさかあの先輩がネットストーカーまでするとは。恋は本当に人をおかしくする)

その“偶然見つけた”アカウントの投稿を遡ったところ、2年前の投稿に彼氏と子供との3ショット写真があったらしい。

 

昨日は寝れなかった。

今日も食べ物が喉を通らない。

 

マルボロを何本も消費しながら女子高生みたいなこと言うなよと思ったが、数年の恋愛のブランクはきっと大きいのだろう。

 

先輩とシンママキャバ嬢が恋愛に発展する可能性は限りなくゼロに近いだろうと思った。

「先輩も馬鹿じゃないんだから、本当は分かってるんでしょう」

そう思ったが言えなかった。

 

何故なら、私も事実から目を逸らし今の恋愛の延長を繰り返している馬鹿だからだ。

 

私の彼はきっと私を愛してはいないだろう。

可愛い女の子と付き合いたいが相手にされないから、私で手を打ったのだろう。

そして彼も「可愛い子に相手にされない」という事実から目を逸らして、そこそこの私で手を打つ阿呆なのだ。

 

馬鹿と阿呆で約1年。

このまま結婚したとして、その後の数十年間、いつまで目を逸らすことができるんだろうか。

 

先輩には、引いて駄目なら諦めた方がいいとアドバイスした。

女なら他にも沢山いると。

私はきっと引くことはできないだろう。

たとえ男が沢山いようとも、彼はその中でもいちばんで唯一なのだ。

 

そんなブーメランな恋愛相談をしながら食べたBランチは、また理想の体型から私を遠のかせていった。